コインパーキング・駐車場経営の法人化について

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土地を有効活用するなどの目的でコインパーキングや駐車場経営を検討する方も多いでしょう。節税などの対策として法人化するのも一つの手ですが、必ずしもメリットばかりではありません。このページではコインパーキング・駐車場経営の法人化のメリット・デメリットなどを分かりやすく解説します。

コインパーキング・駐車場経営の法人化とは？

そもそもコインパーキング・駐車場経営の法人化と言っても、どのようなものかイメージできない方もいるでしょう。

法人化とは駐車場を経営するための株式会社・合同会社を設立したうえで、個人で所有している土地を設立した法人に賃貸または譲渡し、法人が様々な契約の締結や収入を得るという仕組みです。一般的に出資者が代表取締役などの役職に就き、コインパーキング・駐車場経営していきます。

従来であれば株式会社を設立するためには一定の資本金が必要だったため、簡単に法人設立ができない体制でした。しかし現在では設立費用などを資本金として入金し、法人設立ができるようになったため、法人設立のハードルが非常に低くなっています。その結果、企業家がスタートアップ時点で法人設立をする、資産管理会社として会社設立を行うなどのケースも増えているようです。

コインパーキング・駐車場経営の法人化のメリット

税金面での節税効果が期待できる

法人化するメリットとして、節税効果が期待できる点が挙げられます。所得税・住民税などの税金は法人の方が低く設定されており、とくに所得税の税率は法人と個人で大きく異なるため節税効果が期待できるのが魅力的。ただし課税所得がそれほどない状態で法人化しても節税効果はほとんどありません。課税所得が900万円以上になったとき、個人所得税率は33%となるので、法人税実効税率30.62%を超えてきます。そのため課税所得がどの程度なのかを考えた上で法人化を検討する方が良いでしょう。

相続時の利点が大きい

また相続時の利点があるという点も法人化のメリットと言えます。もし個人事業としてコインパーキング・駐車場経営を行うと、事業規模や土地の評価額が高くなれば相続時に多額の税金が発生する恐れがあります。一方で法人化して経営を行えば、生前から株式を遺族に分配することで相続税対策を講じることが可能です。生前贈与は贈与税の対象ですが、年間に110万円/人の基礎控除が認められているため、年に110万円以下であれば法人株式を譲渡しても税金はかかりません。

またコインパーキング・駐車場経営は土地という分割できないものが資産となるため、相続人でのトラブルが起こりやすいという問題もあります。しかし株式であれば資産分割がしやすくなり、相続時にトラブルが起こりにくいでしょう。

経費の範囲が広がる

個人事業主であれば、家族に給与を支払う場合は事前に管轄の税務署に届けださなければなりません。しかし法人化をしておけば業務に合った適正学を損金として計上できます。家族への所得分散することで、個人の所得税額を抑えられるというメリットがあるのです。また法人化によって、退職金や生命保険料も損金計上ができるなども魅力的なポイントと言えるでしょう。ただし国税庁。金融庁の規制強化が行われており、生命保険料の全額を損金計上するのは非常に難しくなっています。

コインパーキング・駐車場経営の法人化のデメリット

設立や維持に費用がかかる

法人化するにあたって、「株式会社」「合同会社」といったスタイルから選択できます。設立にかかる費用を抑えたいのであれば合同会社という方法があっており、おおよそ10万円で会社設立が可能です。しかし合同会社だと株式分散での相続対策が行えないなどの法人化のメリットが少なくなってしまいます。そのため将来的ビジョンなども踏まえて、合同会社で良いか慎重に検討した方が良いでしょう。一方、株式会社を設立するにあたって司法書士に手続きを任せるケースがほとんどです。そうなれば司法書士への報酬も加わるため、おおよそ30万円の費用が必要となります。

さらに法人を設立したあとも税務署に決算申告などのために、顧問税理士を雇う必要があります。状況にもよりますが年間70万円ほどの費用を考えておかなければなりません。

事務作業が複雑化する

法人化すれば毎期に決算を出す必要があり、事務作業が複雑化してしまいます。事務作業の手間も増えるため、慣れないと身体的にも精神的にもストレスになることも。もちろん事務作業を外部に委託することも可能ですが、その分コストもかかってしまうため慎重に検討しなければなりません。コストが増え、収入が減ってしまえば法人化するメリットがなくなってしまいます。

役員改選の手間がある

株式会社の場合、役員の任期が設定されており、任期満了時には役員改選をおこなう必要があります。役員改選の手続き・株主総会の議事録作成・重任登記などを行わなければなりません。もちろん役員が変わっていない場合も同様で、司法書士に登記の依頼をする必要があり、手間や費用が掛かります。さらに退任したときも退任登記の手続きが必要です。

まとめ

コインパーキング・駐車場経営を法人化することで、節税対策や相続対策などのメリットが期待できます。ただしデメリットもあるため、慎重に法人化について検討する必要があるでしょう。後悔しない駐車場経営を行うためにも法人化するタイミングや将来のビジョンなども踏まえて、しっかりと考えることが大切です。